小さいロボット掃除機 日立ミニマルとパナソニックルーロミニを比較した結果、ルーロがいいと思う理由

もはやロボット掃除機の代名詞とも言える、米アイロボット社「ルンバ」。タカラ(現タカラトミー)が代理店だった頃から数えると国内でも20年の歴史があり、清掃能力も申し分ないですね。

しかし、ルンバにも唯一にして最大のデメリットがあると私は考えます。それは、「日本家屋、特に集合住宅に置くには大きすぎる」ことです。

ロボット掃除機は動いていない時間の方が圧倒的に長いため、ルンバ+充電台の大きな図体は狭い家には非常に邪魔になってしまいます。

このページにたどり着いた方々も、おそらく同じ悩みを抱えているのではないかと思います。小さいロボット掃除機が欲しい、と。

最長部25cmの「minimaru」と「ルーロミニ」

小さいロボット掃除機が欲しい。と思ってkakaku.comを覗くと目につくのが、日立の「minimaru」とパナソニックの「ルーロミニ」ではないでしょうか。

2021年1月現在、minimaruは2021年に3代目が発売されています。ルーロミニは2019年発売で、後継機種はまだ出ていません。

これらは果たしてどちらが優れているのか。minimaruの2代目「RV-EX20」と、ルーロミニ「MC-RSC10」を用意し、何回か使ってみました。

先に結論と要点

ルーロミニの方がバランスがよい。
ただしスケジュールを使いたいならminimaru

SLAM(自己位置検出機能)がないのはどちらも同じ。
まず壁際を1周掃除し、その後は何かにぶつかるたびに方向を変えながら床全体を塗りつぶすように掃除し、終了を判断して充電台に戻る、という戦略も同じです。

ミニマルは強力な吸引モーターと足の速さで、ガンガンぶつかりながら高速に部屋を塗りつぶしていくのが特徴。
ルーロは壁や家具にぶつからないことを重視し、広い部分はらせん状に走行して効率よく塗りつぶすのが特徴です。
ロボット掃除機で家具が傷ついてしまっては元も子もないですよね。

minimaruの方が機能は多いですが、不十分な点も多いので、筆者はバランスの良さからルーロミニを使っています。

ただし、スマホ連携で運転スケジュールを組めるのはminimaruだけです。スケジュールが必要ならminimaruを選んでください。

比べてみよう

比較した上で「動作は異なるが、必要な機能は満たしている」と結論づけている観点もありますが、そこはご容赦いただきたいと思います。どちらも不満点はあれど、著しい欠点はありません。

比較の観点

清掃機能

  1. 集塵力
  2. バッテリー
  3. ブラシ類
  4. 充電
  5. センサー
  6. 袋小路の脱出
  7. ゴミの圧縮
  8. ゴミが多いところの挙動
  9. 広い部屋での挙動

付加機能

  1. 騒音低減機能
  2. 予約
  3. 片方だけにある特長

minimaruとルーロミニの比較

1. 集塵力

なんと言っても気になるのがまず「ちゃんとゴミを取れるのか」という点。結論から言うと、吸引力だけで言えばminimaruの方が強いですが、集塵力という観点では両者は互角と言えます。

まず吸引力ですが、日立、パナソニックともに、吸込仕事率は公開していないので、吸引力を数値で比較することはできません。そこで、バッテリーの電圧から、主観評価を交えて比較してみることにします。

本体を裏返してみると、バッテリーの定格電圧が書かれています。minimaruは18V、ルーロミニは14.4Vです。同じサイズであれば、基本的に電圧が高い方が強いモーターを使えます。
音を聞いてみると、minimaruはキャニスター式の掃除機を中モードで回したぐらいの音がします。モーター出力だけで言えば、日立の方が強そうに思えます。ならばルーロミニはゴミを吸わないのかというと、単純にそうでもありません。

minimaruはサイドブラシで本体の真下に向かってゴミを集めます。集めたゴミを、強い気流に加え、本体後部についているメインブラシがゴミの上を通過することで残さず集める仕組みです。

一方のルーロは、三角形状の利点を生かし、サイドブラシの直後にメインブラシがあります。サイドブラシが集めたゴミは、そのままメインブラシで集められます。よって、吸引力はそこそこでもゴミはちゃんと回収されます。

仕組みは異なりますが、集塵力には大きな差はありません。

2. ブラシ類

吸引力とともに重要な、ゴミを集めるブラシについて比較します。結論から言うと、個性はあれど機能に大差はなさそうです。

minimaruは本体後部に回転するメインブラシ、その後ろに絨毯用のかきとりブラシ、前部両側にサイドブラシがあります。本体上から見たとき、左後部端に吸引口があり、ブラシもそこに向かってゴミを集める渦巻き型をしています。かきとりブラシは絨毯を検知したときだけ下がり、普段は接地していません。左右のサイドブラシを使って、壁際や椅子の脚などを上手に掃除してくれます。

ルーロミニは、本体前部に回転するメインブラシ、右側にサイドブラシがあります。本体上から見たとき、中央に吸引口があり、ブラシはそこに向かってゴミを集めるV字型です。絨毯用のかきとりブラシはない代わりに、メインブラシにかきとり用の硬い毛がついており、本体の進行方向と逆回転することで絨毯を掃除する仕組みになっています。
サイドブラシが片方にしかないので、壁際や椅子の脚は必ず本体右側を幅寄せして行います。(ちなみに、両側にサイドブラシを持つ上位のルーロも、壁際は右側を幅寄せして掃除します。)

メインブラシは、もっとも幅が広い部分に付けた方が効率がよく、丸型のminimaruは中央寄り、逆三角形のルーロは前方という自然な設計です。どちらも吸引口に向かってゴミを導くようになっており、大きな差はなさそうです。

補足: 吸引力が強い掃除機が良い掃除機なのか
掃除機といえば「吸引力」だ、と言い出したのはおそらくダイソンだと思いますが、実は掃除機の善し悪しは生活習慣によって異なります。

ダイソンの故郷はイギリスですが、あちらでは毛の短いカーペットに土足で出入りするため、カーペットに入り込んだ重い石や砂をしっかり吸い込んで掃除できる強い吸引力が必要です。
ただ、靴で歩くので、見た目で分からない細かいゴミは多少残っていても問題はありません。

一方日本では、靴を脱いで生活しますので、食べかす・ホコリ・抜け毛が主なゴミとなります。石や砂のような重いゴミは少なく、吸引力は必ずしも必要ありません。
ただし、素足で歩くと、僅かなゴミでも残っていると足の裏が気になってしまいます。しっかりとゴミを取り切るブラシが不可欠です。

日本においては、掃除機の良さは吸引力だけで語ることはできず、総合的な集塵力で検討する必要があると思います。

3. バッテリー

吸引力を支えるバッテリーの寿命や交換について比較します。
結論から言うと、寿命は毎日使って2年程度、バッテリー費用はほぼ同じです。敢えて言うなら、ダウンタイムはルーロミニの方が短くなります。

バッテリーはどちらもリチウムイオン電池。電圧は、1で説明したとおり、minimaruが18V、ルーロミニが14.4Vです。寿命は、カタログスペックではどちらも1100回の充放電となっています。

寿命については、おおよそカタログに書かれた時間の掃除(minimaruは一代目と二代目は60分・三代目は90分、ルーロミニは80分)が不可能になった時でしょう。
毎日使っても3年は持つ計算ですが、それまでにパワーの低下が見られる可能性が高く、カタログスペック通りに使えるのは2年程度だと考えられます。

minimaruのバッテリーはユーザによる交換はできず、修理送りになります。日立のクリーナー修理は定額制で、落下・水濡れ等の事故でなければ10,000円。別途送料が必要です(購入店に持ち込めば、無料で手配してくれるかも)。
ルーロミニのバッテリーはユーザによる交換が可能で、金額は13,000円です。

バッテリーの費用は似たり寄ったりですが、敢えてどちらかを取り上げるなら、自分でバッテリーを買ってきて交換出来るルーロミニの方が使えない時間は短くて済みます。
バッテリーを替えようと考えるほど使い込んでいるなら、おそらくその掃除機は生活必需品になっていると思うので、ダウンタイムが短いのは重要です。

4. 充電

充電機能について比較します。結論から言うと、ルーロミニのほうが少し賢いと思います。

両者の充電時間は同じで3時間程度。充電台から出発して自動で帰還する点も同じです。ただし、充電台の扱いは少し異なっています。

minimaruは、運転中は充電台を障害物の一つとして扱います。充電台付近も掃除される代わりに、充電台にぶつかって動かしてしまうことが多く、帰還できなくなることがあります。耐震用のゴムを使って充電台を固定しておく必要があるでしょう。

ルーロミニは、運転中も充電台の赤外線を認識していて、充電台に近寄らないように掃除を行います。そのため、確実に帰ってくる代わりに、充電台付近に掃除残しが出ます。
これはミニに限らず、すべてのルーロシリーズでこの仕様です。

ロボット掃除機は完璧ではなく、必ず掃除残しは出ます。毎回どこで行き倒れているか探すよりも、確実に帰還してくれるルーロミニの方が少し賢いと考えます。
掃除残しはスティッククリーナーで吸いましょう。

5. 障害物センサー

障害物の検知センサーについて比較します。結論から言うと、ルーロミニの方が優れています。

センサーの善し悪しはゴミの捕集力には関係ないのですが、清掃完遂能力(なるべくゴミを残さず掃除できるか)は高くなりますし、障害物にぶつかりにくくなります。
ぶつかりにくさは、家具や壁に傷を付けないという点だけでなく、騒音低減にもつながるため、特に集合住宅では重要な機能だと思います。

minimaruには、赤外線センサーとバンパーセンサーがあります。前方や壁や段差の距離を赤外線で検知し、接触をバンパーで検知します。

ルーロミニには、赤外線センサー、超音波センサー、バンパーセンサーがあります。前方の距離計測は超音波で、壁や段差の距離は赤外線で、接触はバンパーで検知します。

赤外線は一点で距離を確実に検知できますが、光の反射が少ない黒いものや光を透過する透明なものに弱く、部屋に太陽光が差していると誤作動します。
超音波は距離計測精度は低いものの広範囲を探索できます。

2つの特性のセンサーを備えるルーロミニの方が、家具や壁にぶつかりにくいと考えられます。
実際に動かしてみても、minimaruはガンガンぶつかり、ルーロミニはほとんどぶつかりません。

6. 袋小路の脱出

狭い空間に迷い込んだ時の脱出の早さを比較します。結論から言うと、minimaruの方が優れています。

minimaruもルーロミニも、上位のルンバやルーロのような間取り検知の機能は付いていないので、棚やソファの下などに迷い込むとなかなか出てこないことがあります。

公式にはアナウンスされていませんが、minimaruは自身が袋小路に迷い込んだことを検知するようになっているようです。
その場で少しずつ回転しながら効率よく脱出路を探す動きをし、すぐに出てきます。

ルーロミニは、通常通り探索を行い、行き止まっては向きを変え、を繰り返すので、たまたま脱出路の方を向くまで出てきません。

両者とも本体が小さい分、掃除を完遂するためにはたくさん走らなければなりません。バッテリーの時間が限られているので、効率よく袋小路を脱出することは重要な機能と言えます。

7. ゴミの圧縮

ゴミを圧縮する機能を比較します。結論から言うと、minimaruが優れています。

ゴミを圧縮してたくさん入れることで、ゴミ捨て頻度が減ります。

minimaruのダストボックスは0.25Lで、ルーロの上位機種と同じです。
掃除終了後、強い気流によってゴミを圧縮する「ゴミプレス」を行い、ゴミのかさを減らします。これによって、ゴミ捨て頻度を少なくするとのことです。「ペット運転」モードを使うと、清掃中にも10分おきにゴミプレスを行い、換毛期も安心です。

ルーロミニのダストボックスは0.15Lと、minimaruより小さいものとなっています。
こちらはダストボックスに工夫があり、吸引の気流を使ってゴミを圧縮します。吸引力が弱くなる「音ひかえめモード」を使うと、圧縮が機能しません。

ルーロミニはそもそものボックスサイズが小さいので、どうしてもゴミ捨て頻度は頻繁になります。よって、ゴミ捨て頻度が少ないことをよしとするなら、minimaruの方が優れていると言えます。

ただ、ゴミを入れたまま運転すると吸引力が落ちる上、衛生面でも問題があるので、minimaruであっても3回に1回ぐらいはゴミを捨てることをおすすめします。

8. ゴミが多いところの挙動

読者のみなさんは掃除機で掃除をするとき、ゴミが多いところではゴミがなくなるまで何度かヘッドを往復させて掃除すると思います。
ロボット掃除機におけるこの機能を比較します。結論から言うと、挙動は異なるが大差はないと思います。

minimaruは、通過したところにゴミが多いことを検知するとUターンして戻ってくる「ゴミハンター走行」を行い、同じ場所を再度掃除します。

ルーロミニは、ゴミが多い地点でバックと前進を繰り返す「往復掃除」を行います。直感的な動作ですね。

この挙動の差は、吸引口の位置に起因しています。
minimaruは本体後部に吸引口とゴミのセンサーを備えるため、ゴミが多い地点を通過してからようやく、ゴミが多かったことを検知します。
一方、ルーロは本体前部に吸引口とゴミのセンサーを備えるため、直感的な動作ができます。

動作は異なるが、同じ機能が備わっています。
使った感じ、ルーロにはゴミセンサーの可視化ランプがついていて分かりやすいです。

9. 広い部屋での挙動

広い部屋を掃除する機能を比較します。
結論から言うと、これも甲乙付けがたいと思います。

minimaruやルーロミニは本体が小さいため、部屋の掃除を完遂するためには大型のルンバやルーロと比べてたくさん走ることになります。

minimaruは、たくさん走るためには速く走ればいい、という考え方で、直線は速く、周囲の判断も素早く行い、足で距離を稼ぐという分かりやすい戦略になっています。

ルーロミニは、広い場所を見つけるとその場でらせん状に走行して広範囲を掃除するスパイラル走行を行います。線だけでなく、広い部分は面も使って塗りつぶします。
一見賢く見えるのですが、間取りを認識している訳ではないのでまんべんなく塗りつぶせる訳ではありません。

何もない部屋であればスパイラル走行は有用ですが、狭い部屋に所狭しと家具が置いてあると、足で稼ぐ方が有用かもしれません。これは使用環境によります。

10. 騒音低減機能

ゆっくり走り、吸引力も落とすことで騒音を低減させる機能を比較します。
主観にはなりますが、結論から言うとルーロの方が優れています。

minimaruのマナーモードは、静かになる代わりにゴミを吸わなくなるので、使い物になりません。7で説明したゴミプレスはしっかりするのでうるさいです。

ルーロミニの音ひかえめモードは、静かになるもののゴミはしっかり取れます。特に走行時のゴロゴロ音が低減されるので、下の階がある集合住宅で夜使うなら、音ひかえめにしたいところです。おそらくメインブラシの使い方に差があるものと思います。

静かになってもゴミが取れないなら意味がないので、これはルーロミニに軍配。

11. 予約

タイマー機能について比較します。これは間違いなくminimaruの方が優れています。

minimaruはWi-Fi経由でスマホ連携ができるため、アプリから1週間の運転スケジュールを組めます。

一方ルーロミニは、本体で「○時間後に運転開始」という最低限の予約機能しかありません。

これは筆者の使い方ですが、ロボット掃除機には、毎日定時に動くことで「あ、そろそろ掃除が始まる、床を片付けないと」というモチベーションが生まれ、結果として部屋がきれいになるという側面があります。
スケジュールが組めるminimaruであればこれができますが、ルーロミニは本体のボタンを押さないと動きません。

よって、minimaruに軍配。

12. 片方だけにある特長

片方だけにある特長です。

minimaruは音声で喋るので現在の設定を把握でき、スマホ連携で清掃設定の変更や予約が行えます。特に筆者が注目した機能は、「段差乗り越え設定」です。
minimaruもルーロミニも、乗り越えられる段差は2cmなのですが、minimaruはこの最大値を「低め」に変更できます。
例えば、カラーボックスの最下段は1.5cm程度であることが多く、2cm設定では乗り上げてしまいますが、段差設定を低めにすると乗り上げなくなります。

ルーロミニの特長は、まず「ルーローの三角形であること」。小さくこそなっていますが、三角形状で隅ゴミに強いことは変わらず、minimaruが取り残しがちな角のゴミもルーロミニなら取り除けます。
「フリーフェンス」と呼ばれる進入禁止用のフェンスが用意されているのも特長です。1組1000円ほどで、廊下に繋がる通路を区切ったり、家具の前に置いてぶつからないようにしたりできます。
なお、試しにルーロのフリーフェンスを置いてminimaruを使ってみたところ、フェンスを突破してしまいました。あくまでルーロ専用のフェンスのようです。

で、結局どちらを選べばいいの?

見たいただいたように、

  • 清掃機能そのものに大差はない
  • ロボットとしての出来の良さ、特にセンサーによる細かな気配りはルーロミニの方が上

が結論で、筆者としてはルーロミニ推しです。

ただし、運転スケジュール機能を使いたい場合は、minimaruを選んでください。なお、下位グレードの「RV-EX1」にはスケジュール機能が無いのでご注意ください。

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