Bay Trail/Cherry Trailが採用されているWindowsタブレットの多くは、ストレージ(eMMC)の容量が32GB/64GB程度と少なく、多くの場合microSDを挿して容量不足を補うことになります。
しかし、microSDにも高いものから安いものまであり、どれが適しているのかよくわかりません。
そこで、MLC NANDを採用した高速タイプのmicroSDを購入し、実効速度を測っておすすめを探してみることにします。
microSDのアクセス速度を計測してみる
用意したもの:
- Windows タブレット「東芝 Dynabook Tab NZ40」
- SoC: Cherry Trail
- CPU: Atom X5-Z8300
- MEM: 4GB
- ストレージ: 64GB(eMMC)
- microSD 「トランセンド TS64GUSDU3」
- 容量: 64GB
- 読出: 95MB/s
- 書込: 85MB/s
- BitLocker ToGoの暗号化(Windows 8時代のもの)がかかっている
計測:
- CrystalDiskMark 5.2.4
- 計測回数: 5回
- 計測サイズ: 1GB
- カードリーダは内蔵のものを使用
- 内部的にはPCI Expressに接続されている
結果:
読出の実測最大値は約69MB/s、書込の実測最大値は約38MB/sとなりました。読み書きともシーケンシャルアクセスだとかなりの速度が出る一方、ランダムアクセスになると一気に速度が落ちるようです。
おすすめのmicroSD
筆者はBitLocker暗号化をかけていますが、暗号化を使わない場合はもう少し速度が出るでしょう。ということで、読み出しは80MB/s以上、書き込みは45MB/s以上の商品を選びたいところです。
読み書きともに理論値が公表されているものを、以下にいくつか挙げてみます。WindowsタブレットでmicroSDを使う場合、暗号化したり、仮想ドライブにしてソフトのインストール先にしたりと高頻度な読み書きが行われることから、MLC素子を使用したカードを中心に選んでみました。
有名どころのmicroSDは偽物も多く出回っています。Amazonをご利用の場合は、並行輸入品やマーケットプレイス出品のものではなく、販売・発送がAmazonのものを選ぶとよいでしょう。
読出: 95MB/s 書込: 85MB/s
ラインナップ: 32GB/64GB
保証: 無期限
素子: MLC
実験で使用したカードです。MLC NAND採用で、高頻度の読み書きにも耐えるおすすめのカードです。高いのが難点。
読出: 90MB/s 書込: 80MB/s
ラインナップ: 32GB/64GB/128GB
保証: 10年
素子: 不明(TLC 3D?)
記載はありませんが、TLC 3D NANDかと思われます。128GBのモデルもあるので、大容量が必要な方はこちらを選ばれてはいかがでしょうか。
読出: 95MB/s 書込: 90MB/s
ラインナップ: 64GB
保証: 無期限
素子: MLC
読出: 90MB/s 書込: 45MB/s
ラインナップ: 16GB/32GB/64GB
保証: 無期限
素子: MLC
SDカードスロットがどこに接続されているかによってアクセス速度は異なります。この実験のタブレットではPCI Expressに接続されていましたが、USB 2.0に接続されている場合、60MB/s(実効40MB/s程度)で頭打ちしますのでご注意ください。
以上、WindowsタブレットのmicroSDの選び方でした。